でんしゃがはしる

『日本の自動車の歴史』

自動車-始めにつくったのはだれ?それはいつ?どこで?

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山本忠敬

私は十数年前に自動車の絵本を幾冊か画いた時、こんな疑問と興味を感じてつれづれに調べ始めました。当時日本には、自動車の歴史を文化的にも技術的にもまとめた資料(本)はほとんどありませんでした。そこでつたない語学力にむち打って外国の本を探したら、これがあるんです、わくわくするほどうれしい本が。美しいイラスト入りで、技術史、文化史、それぞれ立派な大人の絵本になってるんです。また、子どもむけにも自動車のおいたちを楽しく見せてくれる絵本があるんです。

このような本を漁っているうちに、自分がいつの間にか、イラスト入り乗り物の本を手に入れることのみにこだわるコレクターになりかかっているのにハタと気づいて、そうだ私はコレクターではないぞ、絵本を作る作家なんだぞ、と自己反省をして、世界自動車史のデッサンを仕上げたのが六年前でした。

その時気づいたんですが、世界自動車史の中に日本の自動車が登場してくるのは1970年以降の本にボチボチなんです。それでも英国の本には300ページの中のわずか2ページで、1907年から1945年の日本の自動車の流れをイラストでのせてくれているのがありました。

ヨーロッパの本はヨーロッパの自動車を、アメリカの本はアメリカの自動車を主体にするのは、当然といえば当然のことです。そこで、どうしても日本の自動車のおいたちの絵本をつくろう、と思い立って出来たのが、この本です。これは、海外の自動車が海を渡って日本に上陸してから、日本の自動車が海を渡って海外に上陸するまでの、約70年間の歴史です。

こまかい専門的データは、ご教示をいただいた各メーカーや専門家によって違いがありましたが、編集部と相談の上、この本では私なりに妥当だと思われた数字をとりあげました。

月刊「たくさんのふしぎ」通巻82号「日本の自動車の歴史」巻末「ふしぎ新聞」の作者のことばより



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