でんしゃがはしる

『しょうぼうじどうしゃじぷた』

 

しょうぼうじどうしゃじぷた.jpg
消防自動車”じぷた”調書(しらべがき)

山本忠敬

“じぷた”は元来第二次世界大戦中、アメリカの軍隊で人員輸送車として広く活躍した、ウイリス・ジープという自動車です。
戦後、この車を、日本機械工業会社が消防車に改装したのが”じぷた”なのです。
まだ、でこぼこ道路時代、1950年代の日本で、消防車として大いに活躍しました。しかし、この絵本をかいた63年当時は、すでに東京の消防署には一台も無くて、見ることができず困っていましたら、編集の人が、埼玉県の上尾消防団に一台あるのを調べて来てくださいましたので、上尾に出かけて、やっと”じぷた”のスタイルができ上がった思い出があります。
戦争で破壊されたヨーロッパの各国でも、ウイリス・ジープの消防車が活躍した記録があります。このスケッチは、外国で活躍した”じぷた”の仲間たちです。
近ごろ道路は良くなりましたが、自動車が多すぎての道路事情の悪化や、震災対策用として、”じぷた”のような小型消防車が見直されるようになってきました。
一昨年、横浜地区の消防署を見学に行った時、”じぷた”のように小さくて、性能の良い、ホンダの「ミニ消防車」というのが、各消防署で活躍していました。
ついつい、そばに寄って、”じぷた、ガンバレ!”と頭をなでてやりたくなりました。

●1944年、イギリス(小型はしご、消化器具を積んだ補助的消防車)
jiputa_Eng

●1958年、オーストリア(山岳自警消防隊のロングボディーのジープ。前フロントにあるのがポンプ)
jiputa_Aus.jpg

●1936年、フランス(300リットルの水槽や、可搬式ポンプエンジンを積んでいる)

「普及版こどものとも〈7〉しょうぼうじとうしゃじぷた 折り込みふろく”絵本のたのしみ”」より



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