でんしゃがはしる

『とっきゅうでんしゃ あつまれ』

※この絵本は絶版でしたが、2016年2月に復刊されました。以下の文章は発表当時の付録に掲載された、山本忠敬自身の取材記です。

特急電車ご案内します
とっきゅうでんしゃあつまれ.jpg

山本忠敬

ずいぶん前の話ですけれど、あるお父さんが、自動車会社の宣伝用のチラシやカタログから自動車を切り抜き、ノートにはって子どもにあげたら。寝る時もそのノートを枕元において寝るほど気に入ってしまった、と話してくれました。
①自動車のコレクション。②ノン・ストーリー・③父から子への温かい愛情。この三辺に囲まれた三角形の中心に幼児絵本の原点の一つがあるような気がしました。
このお父さんの話がきっさかけで、自動車をコレクションした絵本、『ずかん・じどうしゃ』(現在は「福音館の幼児絵本」として発行)ができました。
一般に、幼児は乗り物が大好きです。なかでも自動車と電車が大好きです。それなのに自動車のコレクション絵本があって、電車のコレクション絵本がないのは片手落ちではないかと、編集のTさんと話し合ってできたのが、この絵本『とっきゅうでんしゃあつまれ』です。
この絵本では、原動機(電動モーター、ディーゼルエンジン)をつけた車両にも旅客を乗せることの出来るものを電車とし、機関車のひっぱる列車と区別しました。そして、現在走っている日本の特急用の車両を全部集めて、その形態別にブロックを組んで走らせてみました。
新幹線は、日本の世界に誇る最もはやい電車。近鉄ビスタカー(P4)の基本編成は四両で、二号車、三号車は二階建て車です。
国鉄の183系・189系・485系・489系・381系・781系(P10〜13)は特急電車で、日本各地の本線を走っています。381系の振子式電車(P11)は、カーブを走る時に車体が遠心力で自動的に傾く機構になっているので、カーブでもスピードを落とさず走れます。ディーゼルカー(P13〜14)は旅客を乗せてディーゼル・エンジンで自走する車(原理は自動車と同じ)。だから、パンタグラフも架線もいりません。
電車正面についているヘッドマークは、色々なデザインや愛称(白山、はこねなど)があり、同系の電車でも路線や行き先によって変わります。特に国鉄の特急型電車のヘッドマークは、五十種類近くもあります。
裏表紙の国鉄117系・201系と近鉄「あおぞら」は、厳密には特急電車ではありませんが、多くの人々に親しまれている国電なのと、二階建て電車なのでのせました。P23のお嬢さんは南海「こうや」の車内案内嬢で、絵本特急電車にご乗車いただきありがとうございました、といっています。
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最後に、この絵本を作るにあたって色々お世話になった、雑誌「鉄道ファン」の真柳哲也様や国鉄の須田寛様、車両局の皆様、また、各私鉄の広報の皆様に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

「少年版・こどものとも118号〈1〉とっきゅうでんしゃ あつまれ 折り込みふろく”絵本の楽しみ”」より



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